葬儀屋とおばけ

最近、会う人会う人みんなに聞きます。

「心霊現象にあったことあります?」

ワクワクしながら聞くのですが、
未だかつて経験した人にあったことはありません。

僕もないんですがね。

多分いつも線香くさいからでしょう。

なぜか、誰に聞いても

あそこの式場のあの部屋で肩が重くなる
とか
あそこの処置室のカーテンがすっごい動く
とか

同じような話が出るのですが
みんな人伝に聞いたもののようです。

どうやら葬儀屋さんは幽霊とは無縁のようです。
みんな誰かの経験は話せても実体験はない。

霊感があったらこんな仕事できませんしね。

そんなオチでは誰も納得しないと思うので私が大学生の頃あった怖い話をして締めたいと思います。


あれは大学四年生冬以降、

当時、もう単位を取り終えてはいたのですが、

渡米費用を稼がなくてはいけないので

病院で事務当直バイト
ファミレスでキッチンバイト
ギターレッスン
ライブ
セッション
卒論

と忙しくしていました。

2日に一回ベッドで寝るみたいな生活です。

だから疲れていたのかもしれません。

ある夜、
あまり救急の電話もない静かな晩でした。

いつもの様に病院の受付で事務作業をし
空き時間で勉強をして
そろそろ22時を過ぎるし仮眠するか!

とベッドを出して仮眠をしていました。

もう何年もこのバイトをしている私は、
どれだけ寝ていても電話のコール音3回以内に電話に出ることができます。

しかしその夜は違いました。

深夜、真っ暗な中、電話が鳴りました。

私は電話に出るためにモゾモゾと体を動かそうとしました。

が、

体が動きません。

そう、金縛りです。

(いやいやいや、今はまずいって)

中学生、高校生の頃に金縛りになりまくっていたおかげで耐性のある私は冷静に対処することができます。

しかし、今は取らなきゃいけない電話が鳴っている!!

なんとかして体を動かそうとしました。
が、無理なことも経験的にわかっています。

すると

ウイーン

自動ドアが開く音がします。
あの病院のドアは自動で開くのです。

人がいなくても。

(あー、なんかやばそうだなぁ)

これは多分金縛りが見せる夢なのでしょう。
そうに違いない。

バタバタバタバタ!!!

外からは看護師さん?がバタバタ小走りする音がします。

(あ、無理だ。怒られる。諦めよう)

看護師さんに怒られることを覚悟して私の意識は途絶えたのでした。

次の日

電話の着信を見ると履歴はなく、

事務に顔を出した看護師さんに話を聞くと

静かな夜でよく眠れた

そんなことをおっしゃっていました。

(世の中には不思議なこともあるものだなぁ)

私は当直を終え、次のバイト先に向かうのでした。

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